札幌光星中学校・札幌光星高等学校

校長メッセージ

自ら社会を照らす「光」となり 平和で豊かな未来を創るリーダーを育成

学校法人 札幌光星学園 札幌光星中学校 校長 札幌光星高等学校 校長   駒井 健一郎

 世界中を震撼させている新型コロナウイルス感染症への対応を通し、学校で日々展開される他者とのかかわりが、人格の形成や社会性の向上を実現させるという点で再評価されています。情報社会が進み、インターネットやSNSなどの影響が大きくなる一方、社会全体で血の通った会話が成立しにくくなり、明るい未来を展望させることが難しくなったと言われます。こうした現代社会の光と闇が、今般のコロナ禍によってさらに強められました。人と人とが対面できない「ニューノーマル」は、コミュニケーションの大切さを痛感させます。このような現状により、「学校」での学びや人とのつながり、連帯して何かを作り上げることに対し、多くの期待が寄せられています。
 創立から90年近くの間、本校がカトリックミッションスクールとして大切に伝えてきた「他者のために自らを尽くす」という教育方針は、不透明な未来をたくましく生きるための大きな力になると確信しています。そして本校はこの教育方針に沿って生徒たちに次の二つの力が備わるよう運営しています。
 一つは、充実したカリキュラムを提供し、生徒一人ひとりが希望の進路へ就くための「確かな学力」をつけることです。本校はすべての生徒に国公立大学を軸とした進路指導をおこなっています。さらに今年度からは全生徒にipadを持ってもらいました。中学生、高校生が活躍する2030年をイメージし、AIやIoT、ソサエティ5.0、シンギュラリティなどに称される次世代高度情報社会へ対応する力を備えていきます。
 もう一つは、カトリックミッションスクールならではの宗教教育や多彩な行事への経験を通し、主体的に探求心をもって学ぶ姿勢、「未来を俯瞰する力」をつけることです。今春も卒業生の頑張りで、北海道大学20名をはじめ、国公立大学163名の合格者を出すことができました。私立大学でも早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、東京理科大学をはじめ、延べ1000名を超える合格実績を残すことができました。しかし、数以上に大切なことは、日頃から「大学がゴールではない」と語りかけている通り、大学やその先の自らの人生を創造する力を備えてもらうことなのです。
 本校の校訓である「地の塩 世の光」という聖書のメッセージ通り、生徒一人ひとりが「確かな学力」と「未来を俯瞰する力」を身に着け、広い視野をもち、平和な社会を築くために貢献できる人物となれるよう、これからもきめ細やかなサポートをしてまいります。

令和3年度 始業式(2021年4月9日)

 本日より令和3年度の学校生活がスタートいたします。昨日の中学校入学式で64名、高校入学式で335名の新しい仲間を迎え入れることができました。あらためて、入学おめでとうございます。2年生86名、3年生89名、5年生303名、6年生435名の光星の先輩たちと、112名の先生方と22名の職員一同、新入生のみなさんのことを心から歓迎いたします。今年度は、中学生239名、高校生1073名、学園としては合計1313名の生徒の皆さんと140名弱の教職員、そしていつも校舎を綺麗な状態に保つよう清掃してくださっている10名の方々や24時間交代で学園を警備してくださっている3名の方々を合わせ、1460名ほどの光星ファミリーで令和3年度をスタートします。ちょっとした村の人口よりも多いこの学園に関わるすべての方々が、毎日、笑顔で挨拶を交わし、この空間を愛してくれたら最高です。そんな、信頼と安心の場を今年度もみなさんと一緒に作っていきたいと思います。
 この始業式を今日も放送で行っていることが少し残念ではあります。しかし、「すべての命を守るために」、今はまだ新型コロナウイルス感染症への対策をとっていかなければなりません。今年の初めに、日本でも2月中旬からワクチン接種が始まるだろというニュースから、早期の感染症終息を期待させるような雰囲気もありましたが、ワクチンの供給が計画通りでなかったり、国内でも変異株が確認されるようになり、今はもうしばらく忍耐が必要なのかなという印象をみなさんも持ってると思います。札幌も4月16日まで、ステージ4相当と警戒を強めています。油断をせず、しっかりと感染症への対策をとりましょう。ただ、昨年の今頃との違いは、私たちは正しく恐れる方法を身に着けました。当初は行事や部活動で何度となく残念な思いをさせられてしまいましたし、授業も十分に実施できず、不安な思いをつのらせた人も多かったと思います。しかしながら、昨年の秋以降は学校を長くお休みにするようなこともありませんでしたし、みなさんの協力で修学旅行など実施することが困難な行事にもチャレンジできました。これらはすべて皆さんの協力と日々の丁寧な対応とがあったからです。今年度も可能な限り、学校での活動を行い、みなさんの学校生活が潤いあるものとなるよう取り組んでいきます。よろしくお願いします。5、6年生のみなさんは「受験は団体戦」という言葉を聞いたことがあると思いますが、「コロナ対応も団体戦」です。何よりも大切なことは、みなさんがこの学校に通うことを楽しいと感じ、友人や先生方に支えられていることを実感する毎日を送ることです。この先もコロナは、私たちに否応なしに難しい判断を迫ってくるでしょうが、進むときにも立ち止まるときにも、その判断に至るまでにはベストを尽くしたと自信をもって言えるよう、みなさんと気持ちを一つにして団体戦を戦っていきたいです。
 ところで、「団体戦を戦う」とは、どういうことなのでしょうか。野球の試合をイメージしてください。1点差を追う9回2アウト満塁という場面で、バッターが三振してしまいました。その時、「バッター何やっているんだよ」と言うのは、テレビで野球を観戦している人。フィールドやベンチから同じチームの仲間を応援する立場だったら、その時、その選手が打つしかない状況を理解し、そして誰も三振するつもりで打席に立っているわけがないことを理解し、必死になって戦っていると知っているから、悔しさとともにその結果を受け入れるでしょう。一番心が折れそうな人の側に寄り添えることが「団体戦を戦う」ことだと思います。もちろん、バッターがサヨナラヒットを打った時の喜びもテレビ観戦している人とは比較にならない大きさでしょう。傍観者や第三者ではなく、当事者として、チームメイトとして、ファミリーとして私たちは係り合っていきたいものです。そして様々な場面で、私たち光星ファミリーの底力を見せていこうではありませんか。そんなワクワクするような毎日をみなさんと一緒に作っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

令和3年度入学式 式辞(2021年4月8日)

 大きな可能性に瞳を輝かせ、この場に臨まれた新入生のみなさん、御入学、誠におめでとうございます。また、これまで皆さんを支えてこられたご家族や関係者の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。
 本校は1934年の創立から数え、今年の11月で87年の歴史を迎え、これまで3万名を超える多くの優秀な人材を輩出してきました。本校の歴史は、まさしく先輩方がたゆまぬ努力の上に築き上げた財産の積み重ねによるものです。皆さんも歴史と伝統ある札幌光星の生徒として、その名に恥じぬよう、責任と自覚をもって行動してほしいと思います。
 さて、今日から新生活が始まります。学校生活が楽しく、そして実り豊かなものとなるよう、精一杯努力してください。皆さん一人ひとり、本校を選んだ理由があると思います。夢と希望をもって入学したはずです。その夢と希望をかなえるために、私たち教職員は、全力で皆さんを応援します。一人ひとりにとって卒業の際の進路が実り豊かなものとなるよう、その手助けをしっかりと行っていくことを、ここにお約束します。
 みなさんの夢と希望の実現のために申し上げたいことは、本校の教育方針と理念です。本校の校訓「地の塩 世の光」は、キリストが人々に示した理想的な人間像を、一人ひとりの生徒の中に実現することを目標としています。その理想的な人間像とは、他者との係わりによってしか実現されず、ひいてはその係わりが、自分の幸福の実現に至る唯一の道であると考えています。本校では、生徒がその理想を実現するために、万難を排して努力し、獲得した能力によって社会のあらゆる分野に核となる地位を築き、他者のために働き得る人材となるよう指導しています。校訓には将来、社会の中で、陰となり日なたとなりながら、多くの人のために力を尽くす人になってほしいとの願いが込められているのです。
 1年ほど前からの新型コロナウイルス感染症の影響による想像を絶する出来事により、世界中が各方面で解決困難な状況におかれ、多くの犠牲を払っています。皆さんもそれぞれの学校での1年を様々な困難を強いられ、その区切りもないまま、本日の入学式を迎えていることでしょう。この失われた1年間の代償は、簡単には埋められません。それでもこの状況を受け入れざるを得ない時、私たちの行動が「すべてのいのちを守るために」とられていること、そしてその行いは尊く、愛にあふれているのだと自覚したいものです。自分の身を守ることだけではなく、他者の命にも心を配る思いやりが、この忍耐を支えているのだと自覚したいものです。カトリックミッションスクールである本校の一員となった皆さんに求められていることとは、まさしくこのこと、つまり「自己犠牲」であり、自らの権利のみを主張するのではなく、社会の中での連帯と思いやりを意識した行動をとれるようになってほしいのです。
 わたしたちは、この理不尽な感染症が、どうして今、この時に起こり、こんなにも世界中を混乱させているのかわかりません。今回の事態で、多くの尊い命が奪われました。また、病気に苦しむ人、病人を支えるために懸命に闘う人、経済の悪化に苦しむ人、雇用を失う人。世界中には、様々な状況下で命の危機や精神の限界に直面する人たちであふれています。私たちは、人としてどうのようにこの状況と向き合うべきなのでしょうか。キリストは、その態度として「人とともに、人のために苦しみ、真理と正義を守り抜くために苦しみ、真に愛する人となるために苦しむ」ことを求めています。私たちがコロナ禍で本当に試され、求められていることとは、そしてそのゴールとは、医学の進歩によるウイルスの撲滅ではなく、人類がどのような困難にも連帯して立ち向かうことができるという「信頼」や「安心」に包まれた社会を築くことのはずです。
 本日入学された皆さんには、本校での学びを通し、他者のために生きる喜びを本当の喜びとすることができるよう、知的にも人間的にも大きく成長することを期待します。そして、その姿勢こそが、本校の校訓「地の塩・世の光」が求めるところなのです。
 保護者の皆様、御子息、御息女の本校への御入学に御理解をいただき、こころから感謝申し上げます。環境が大きく変わり、何かと御心配なことも多いかと思います。担任をはじめ、学園が一致団結してサポートしてまいります。学校は楽しいところです。どうぞ安心して学校に送り出してください。これからの御支援と御協力をお願いいたします。
 新入生の皆さん、学校生活を始めるにあたり、自らの健康を大切にし、体と心を鍛え、しっかりと勉学に励んでください。新たな友人と出会い、語らい、生涯の友を数多く作ってください。皆さんが本校を巣立つ日には有終の美を飾り、次のステージへと羽ばたいていくことを心より期待しています。